こんにちは、いとちゃんです。 今回はスポーツミニベロのフロントクランク・ダブル・トリプルの実用性と平坦巡行・坂道の登りでのギア比の考察をしていきたいと思います。
登りがつらいのでスプロケットを変えようかなと思っている方も多いと思います。 もしかしたらトリプルクランクのほうが登りが楽になるのではないかと気になっている。
例) 今、シマノ・SORAを使っていてフロント50-34、リア11-28ですが、フロントクランクトリプル化とカセットスプロケットの変更どっちがいいのか!?
目次
フロントクランク・トリプル化
現行モデルのコンポの場合、フロントトリプルの設定があるのは
ティアグラ(4700)、ソラ(R3000)、クラリス(R2000)だけになります。
105以上ではフロントトリプル自体がありません。
知る限りですが、スポーツミニベロの完成車で、フロントトリプル仕様の完成車はないと思います。
ジャイアントのPACEみたいなランドナー風のツーリングバイク・ジオスのミストラルのようなクロスバイクなどにフロントトリプルの完成車があったと思います。
何故か余り普及していないフロントクランク・トリプル
一般的ではない!? フロントクランク・トリプル
Qファクターが広がる
当然ではあるのですが、フロントがトリプルになれば、その分ペダルが外に押し出されるような形になります。
1枚ギアが増えますので、その結果、当たり前ですがQファクターが広がります。
例) 4700ティアグラで見ると、ダブルのFC-4700が150mmに対し、トリプルのFC-4703では158.8mmです。
Qファクターが広がると股が開く形になり、ダンシング時・ペダリング時・に乗りづらさも感じると思います。
重量が増す
フロントにはチェーンリングが一枚増えますので、必然的にその分重くなります。
思った以上に使えるギアがさほど増えない、
例)9速コンポネートSORAで、リアスプロケットが11-28Tだとして、トリプル化した場合のギア比を参考にしてみると。
ダブルクランク(50-34)
11 | 12 | 13 | 14 | 16 | 18 | 21 | 24 | 28 | |
50 | 4.55 | 4.16 | 3.85 | 3.57 | 3.13 | 2.78 | 2.38 | 2.08 | 1.79 |
34 | 3.09 | 2.83 | 2.62 | 2.43 | 2.13 | 1.89 | 1.62 | 1.42 | 1.21 |
トリプルクランク(50-39-30)
11 | 12 | 13 | 14 | 16 | 18 | 21 | 24 | 28 | |
50 | 4.55 | 4.16 | 3.85 | 3.57 | 3.13 | 2.78 | 2.38 | 2.08 | 1.79 |
39 | 3.55 | 3.25 | 3 | 2.79 | 2.44 | 2.17 | 1.86 | 1.63 | 1.39 |
30 | 2.73 | 2.5 | 2.31 | 2.14 | 1.86 | 1.67 | 1.43 | 1.25 | 1.07 |
2×9が3×9速になっても、ギアが9枚増えたわけではないことはお分かりになりますでしょうか?
トリプル化しても、ギア比がほぼ同じになる組み合わせが結構あります。 ※ 例 緑色
例えば、39×24と30×18はほぼ同じギア比ですね。
このように被るギア・ほぼ近いギアが結構あるので、実際使えるギアとしては、30×28Tが登りに良く使えそうな1.07となるくらいが増えた分と見れます。
※ 参考までに、コンパクトクランク50-34T でリアスプロケットを11-34T を投入した場合の、最も軽いギア比は1.00(34T×34T)です。
トリプル時の30-28とかなり近いギア比になります。
トリプル化にする費用はどのくらいかかる!?
フロントクランク・トリプル化するには最低限必要なものがあります。
左側STIレバー(フロントギア変速・新品ならワイヤー類は付属)・Fディレイラー・Rディレイラー・チェーン
※ スプロケットをワイドにしたい場合は、リアディレイラーGS・カセットスプロケット・チェーンが必要になります。
補足ですが、4700ティアグラについては、フロントトリプル時のスプロケの対応が32Tまでになります。
フロントトリプル&リア34Tはティアグラでは不可です。
フロントトリプル!? リアをワイド化!?
フロント 50-34T・リア 11-34T の9速からローギアを増やしたいという目的では、フロントトリプルでもリアのワイドレシオ化(34T導入)でも似たようなギア比が得られます。
しかし、実用上は、結構な差が出ます。
11-28 | 11 | 12 | 13 | 14 | 16 | 18 | 21 | 24 | 28 |
差 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 | |
11-34 | 11 | 13 | 15 | 17 | 20 | 23 | 26 | 30 | 34 |
差 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 |
坂道など登りには使いやすい 11-34Tのスプロケットでは、ギアが飛び飛びなのでどうしても適切なギアが選びにくくなります。
この中間にギアがあれば・・・っとなるわけです。
フロントをトリプル化してリアは 11-28T スプロケットのままであれば、11-34T スプロケットよりはギアが飛び飛びではありません。
※ その代わりフロント側の操作が増えます。
Qファクターの増加、重量増加、面倒なフロント変速・・・っと繋がっていくので、どっちがいいかは微妙だったりします。
またトリプル化した場合は、たすき掛けは完全にNGです。(例 フロントギア最小・リアギア最大)
※ 変速時のチェーンの脱落につながりやすい、、、
しかしながら、多くの人はフロント変速は面倒と考えるでしょうし、特にクラリス・ソラグレード だと、リア変速に比べるとフロント変速はスムーズさがありません。
※ シフトしてきっちりとギアが嚙んでからトルクをかけないとチェーンが上手く嚙まない・外れそうになる、、、
なのでフロントトリプル化は面倒が増えると考える人が多いのではないでしょうか!?
かといって 11-34T ではギアが飛び飛びに・・・となると、最後はコンポ交換して11速化するほうがよかったりするわけです。
9速では飛び飛びでも、11速ならまだマシになりますので。
※ 補足
MTB用のスプロケットを取り付ければそこそこの軽いギアの組み合わせも考えれますので、目的の一つとして考えてみても良いかもしれません。
歯数の間が 3・3・3・3・3・4・4・4・4と飛び飛びにはなりますが、中間・最高速は捨てて登りを重視したいならお勧めです。
シッティングでも傾斜角度15%くらいならいけると思います。
フロントトリプル化が流行らない理由は!?
フロントトリプルでは、クロスレシオのスプロケットを活かしながら、ローギアを増やすことができます。
ですが、費用がそこそこ掛かる上に、実質的に増えるギアは一枚くらいしかなく、Qファクターが広がって乗りづらくなり重量も一気に増えるのであまりオススメ出来ません、、、
しかしながら、トリプルクランクを好んで使う人もいます。
荷物を積載してまったり走るツーリング派・林道・未舗装路でのサイクリング派・グラベルロード派・MTB派 の人には(ランドナー・グラベルバイク・MTB)など一定のトリプルクランク愛好家がいるような気がします。
しかしながら、左STI、クランク、FD,RDを交換すると、ソラグレードでもそこそこお金がかかってきますよね。
パーツ代だけでも2万~3万円くらいでしょうか。
それだけ掛ける意味があるのかないのかは人それぞれ価値観が違うと思いますが、個人的にはナシな気がします。
どうせなら、お金はかかってしまいますが、105グレードなど 11 速に組み替えて 11-34T を導入したほうが変速性能や使い勝手などは確実に良くなるでしょう。
トリプル化を検討される際は、満足できるギア比が得られそうか、十分に検討してから行ってください。
また、トリプル化した場合、フロントの変速回数が増える可能性もあります。
それが煩わしいと思う人もいるでしょうし、操作性が変わるので、そのあたりもしっかり考えた上で導入するか決めたほうがいいでしょう。
まとめ
今回はロードバイク・ミニベロなどのスポーツバイクにフロントギアトリプル化は有効か!? について取り上げてみみました。
実際には、費用面・操作面・ギア比面を含めてあまり大きなメリットは得られない結果となりましたが、ロングライドをゆっくり楽しみたい・楽しく林道を楽しみたい方には有効面はある事も判明しました。
自分の方向性としっかりとした下調べをお店などでしてご検討されてみてはいかがでしょうか。
今回はここまでです。 ここまでのお付き合いありがとうございました。
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