こんにちは、いとちゃんです。 今回は前回の続きで夏の行楽シーズン前に注意してほしい海・砂浜・磯・レジャーで気を付けてほしい危険な生き物について紹介していきたいと思います。
目次
砂浜・浅瀬・磯で見かける危険な生き物
ゴンズイ
ナマズ目に分類されているナマズの仲間で、体形もナマズに似ています。
頭部は平たいのですが、体の後半部は側扁する形です。全体的に見ると魚体は細長く、口にはヒゲを8本持ちます。
ナマズの仲間で、鱗は持たずに体表は粘液で覆われ、体色は褐色や暗褐色で黄色い2本のラインが入ります。
ゴンズイの第1背ビレと胸ビレには毒棘があり、刺さると激痛に見舞われるため注意が必要です。
ゴンズイが持つ毒は強力で、毒棘が刺さると重い火傷を負った時のような、激しい痛みに襲われます。場合によっては水膨れなどの症状が出て、2回目以降だった時は人によってはアナフィラキシーショックにより命の危険に晒されるケースもあります。
この毒は、カサゴ目の魚種に見られる毒性タンパク質と同等の物で、ゴンズイが死後も毒自体は残存するため、取り扱いには細心の注意が必要です。
もし、刺されてしまったら
ゴンズイの毒はタンパク質に由来する物なので、対処法もハオコゼなどカサゴ目の毒魚に刺された場合と共通しています。
まず、毒棘が患部に残っている時は、毛抜きなどでつまんで取り除きます。次に、ポイズンリムーバーを用い、毒を少しでも多く吸い出しておきましょう。
その後は、患部を50℃前後のお湯に浸けます。これは、毒がタンパク質に由来しているので、加温することで変質して失活するためです。高温ほど効果が上がりますが、火傷を負わないよう注意してください。
ここまでの処置をすれば痛みはだいぶ和らぐと思いますが、あくまでも応急処置なので改めて医療機関を受診してください。
ヒョウモンダコ
ヒョウモンダコは体長10cmほどの小さなタコで、『殺人ダコ』と呼ばれることもあり、噛まれると死に至る場合もありますので、注意が必要です。
ヒョウモンダコは通常は岩や海藻などに擬態しています。
普段は目立たない褐色の体をしているので、普通のタコと見分けが付きにくいそう。
しかし、刺激を受けると体が明るい黄色に変化し、青色の斑点模様が浮かび上がるのが特徴です。
ヒョウモンダコの唾液には、強力な神経毒『テトロドトキシン』が含まれています。
そのため、噛まれると呼吸困難などの症状を引き起こす恐れがあり、最悪の場合は死に至ることもあります。
海水浴や磯遊びなどをしている際に、小さいタコを発見した場合はヒョウモンダコの可能性もあるので、触ったり捕まえたりしないようにしましょう。
ヒョウモンダコは普段はおとなしいため、人間が触ったり捕まえたりしようとしなければ、自分から攻撃してくることはないといいます。
もし、青色の斑点模様が浮かび上がっている状態のヒョウモンダコを見つけた場合は、攻撃的になっているので、絶対に近付かないようにしてください。
もし、嚙まれた場合は!?
すみやかに流水で傷口を洗い流し、毒を絞り出すようにしましょう。
なお、ヒョウモンダコの毒はすぐに体外へと排出させないと危険性が増します。
とはいっても、傷口から口で吸いだすような行為は返って毒を経口摂取することになるので絶対にやめましょう。
① 流水で毒を洗い流す
② ポイズンリムーバーなどを使い毒を吸い出す
③ すみやかに病院へと向かい医師による適切な処置を受ける
たとえ微量であったとしてもテトロドトキシンは身体にマヒ症状を引き起こす可能性がありますので、自分の勝手な判断に頼らないというのも覚えておいてもらえればと思います。
ハオコゼ
一見小さくてかわいい魚、カサゴに似ているので安易に手で触ってしまいがちですが、背ビレ・腹ビレなどに毒棘があります。
ハオコゼとカサゴの見かけ方は、背ビレの位置。
ハオコゼは、背ビレが頭の上まで迫り出しているのが分かります。
ハオコゼのヒレの棘はとても細くて鋭いため、ちょっと触れただけでも抵抗なく刺さってしまいます。
魚のヒレはただ刺さるだけでも痛いのに、ハオコゼは棘の周りに毒腺を持っているため、刺さった傷口からハオコゼの毒が体内に侵入することで激しく痛む場合があります。
ちなみに、ハオコゼの毒はハオコゼが死んでも残るので、ハオコゼを持ち帰る場合はくれぐれもご注意ください。
多くの場合、ハオコゼに刺された瞬間から劇的に傷むということはありません。
最初は「チクッ!」としただけで、アレこんなもんかな? といった具合がほとんどです。
まずは、ハオコゼに刺されてしまってもパニックにならないように落ち着きましょう。
刺された場所や傷の深さによって、その後の痛みには差があります。
一般的には刺されてから30秒から数分程でズキズキと疼(うず)くように痛み始め、半日から数日程度患部の腫れと痛みが続き痺れが出る場合もあります。
蕁麻疹(じんましん)や嘔吐などの症状が出た場合は、アレルギー反応の可能性があるためすぐに病院を受診しましょう。
万が一、呼吸に違和感を覚えたり、意識が朦朧とする場合はアナフィラキシーショックを疑い、躊躇せずに救急車を呼んでください。
刺された時の対処法
① 患部を水道水など清潔な水で洗い、棘が残っていれば抜きましょう。
② ポイズンリムーバーで毒を吸い出してから、毒は熱によって分解される性質がありますので、45℃程度のお湯に患部を30~90分程漬けましょう。
③ 痛みがあるなら、コンビニ・ドラッグストアなどで痛み止めを購入するのもあり
④ 呼吸困難・意識がもうろうとする場合は、急いで救急車を呼ぶ
ダツ
一見、サヨリだと思った方が多いのではないかと思いますが、この魚はダツと言います。
鋭く尖ったくちばしのような口が特徴のこの魚は、非常に危険な魚として知られており、漁師の方の中にはサメ以上に恐ろしい存在だと話す人もいるほどです。
ダツは長いくちばしに似た口で、その内側はノコギリ状の歯に覆われています。
熱帯や亜熱帯の海に棲んでいて、日本には4属8種類のダツがいるといわれています。
比較的浅いエリアで見ることができ、表層付近を泳いでいるケースが多いです。
ちなみにサヨリは下あごが長くギザギザした歯はありません。
突進してくるダツは超危険!!
ダツにはある習性があって、光るものに反応して突進してくるという性質を持っています。
キラキラと光るものを発見すれば正に猪突猛進、勢いよく突進してきます。
これは捕食活動のためだと考えられているのですが、猛スピードで突進してくるダツはもはやただの凶器でしかありません。
さながら海の中から飛んでくる矢や槍だと思ってください。
「そんな魚が人間に刺さるわけないでしょ」と思うかもしれませんが、実際に事故も起きているようです。
そこまで頻繁ではないものの、事実としてダツが人間に刺さるという事故も発生しています。
夜釣りなどで使う照明を海に向けたり、ヘッドライトで海を照らしたりすると飛んでくることがあります。
刺さる場所によっては、最悪命を落とすこともあります。
誰もが包丁やナイフで刺されれば命を落とすように、ダツもまた人間の命を奪ってしまう危険性・可能性がある魚なのです。
ガンガゼ
ガンガゼとは、ウニ綱・ガンガゼ目・ガンガゼ科・ガンガゼ属に分類される、とても長い棘を周囲に持ったウニの仲間です。
黒紫色をしていて、直径5~9 cmの殻の周りに長い棘をまとっています。
中には棘の長さが30cmくらいになる大きい個体もあります。
棘の表面には、長い棘の根元に向かってさらに細かい棘がギザギザと生えていて、いわゆる返し状態なので刺さると抜けにくい特徴があります。
ガンガゼには、光を感知する機能があり、ガンガゼの上に影ができると、長い棘を振り動かします。敵が近づいてきたと思うようです。
ガンガゼは、インド洋、西太平洋の暖かい浅海に生息していて、日本では房総半島や相模湾より南の海で見られます。
水深15mくらいの海域の岩の陰や、サンゴ礁などでみられます。
単独で岩陰などに生息していたり、開けた海底に集団で生息していたりします。
また、ガンガゼが沿岸のワカメやコンブなどの海草を食べて尽くしてしまうことで、海草が枯れてしまう磯焼け(いそやけ)と呼ばれる現象を引き起こす原因のひとつとなります。
ウニと言えば、高級食材として有名ですが、食用として一般的なのは、ムラサキウニやバブンウニです。
ガンガゼの危険性
ガンガゼの長い棘は、細くて折れやすく、返し状になっているため、刺されると皮膚に棘が残りやすいです。
さらに、棘には毒があり、刺されると激しい痛みに襲われます。
ガンガゼの棘は鋭く、ウェットスーツも容易に突き通してしまいます。
ガンガゼは、岩の陰から長い棘だけが出ていたり、浅瀬にいたりすると、ダイビングやシュノーケリングなどの際に、気づかず近づきすぎたり、踏みつけてしまったりして、刺される場合が多いようです。
ガンガゼの毒の成分は、タンパク質の一種ですが、その詳細は未だわかっていません。
ガンガゼに刺されると、患部は腫れ、激しい痛みを伴います。
場合によっては、体が麻痺したり、呼吸困難を起こしたりする重症なケースもありますので、十分注意が必要です。
通常、激しい痛みは、数時間で和らぎますが、患部の腫れは数日間は続くといわれています。
また、体内で折れた棘の周囲が感染症を起こして化膿する場合もあります。
もし、刺されてしまったら
① 刺された部分の棘はピンセットなどで出来るだけ取り除く(棘が折れやすいので真っ直ぐに抜き取る)
② ポイズンリムーバーで毒を吸い出す
③ 40~45℃のお湯に患部を30分ほどつけると痛みが和らぐ
④ 体内に棘が残っている場合は化膿してきますので、医療機関を受診して治療を行う
ガンガゼの棘はウエットスーツでも貫通するようですので、海中にいるようでしたらその場所での遊泳はやめておいた方がよさそうです。
スベスベマンジュウガニ
日本の沿岸で生息している、その名の通りツルンとしたフォルムのカニなのですが、実は強い毒を持った危険生物なのです。食べると危険なので、絶対に口には入れないでください。
磯に棲むカニには、似たような体色のものが多いですから、カタチで見分けるようにしましょう。
見分け方としては、ワタリガニのようにギザギザでなく、名前の通りスベスベで突起物のないものが、スベスベマンジュウガニだと判断できそうですね。
見た目は可愛いが、体内に恐ろしい毒を持っている
スベスベマンジュウガニから検出された毒の成分は
麻痺性貝毒=ゴニオトキシンやサキシトキシン・ネオサキシトキシンがあり、フグの毒として知られているテトロドトキシン
毒の成分や量などは、スベスベマンジュウガニの生息地によって大きくことなるようです。
沖縄地方などの暖かい亜熱帯に棲む個体には、麻痺性貝毒とフグ毒を含むものがそれぞれ存在していて、ひとつの個体に両方の毒を持っているものもいるとのこと。
やはり食べてはいけない危険な生物だといえそうですね。
浜遊び・磯遊びをしていると見かけることもあると思いますので、十分に注意が必要です。
まとめ
今回は夏の行楽シーズンで、砂浜・浅瀬・磯などで気を付けておきたい生き物を紹介してみました。
結構・身近な海にも危険な生き物は多いという事が実感していただけたらありがたいです。
子供達の夏休みを海や川・山などで有意義な時間・思い出を作っていきましょう。
今回はここまでです。 ここまでのお付き合いありがとうございました。
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