通勤、通学で毎日乗る、週末、休日はサイクリング、ツーリングで乗る方、自転車ライフスタイルは色々ありますが、今回はブレーキについて点検、清掃していきます。
目次
自転車のブレーキの重要性
自転車のブレーキは自転車の動きを止める唯一の手段です、乗り手、事故などでの被害者の命を預かっていると言っても過言ではありません。
その為、いざという時に効かなければ重大な事故、命の危険にもさらされる非常に重要な部分、ですので日々の点検、メンテナンス、消耗品交換が不可欠になります。
長い間放置しているようであれば、今すぐにでも出来る点検、掃除だけでもブレーキの効きが改善するかもしれませんし、 作業ができなくても、目視点検でも気になれば早めに自転車ショップに持ち込み、点検をしてもらう事も出来ます。
※ 自転車ショップの日常的な定期点検はさほど高額ではないです。 大体は1000~3000円くらいと思いますので、もしご自分で掃除、メンテナンスが出来そうになければ近場の自転車ショップに持って行って下さい、 ※消耗品がある場合は別途料金が発生はします。
大手自転車ショップさんの大体の定期点検料金。
サイクルCITY
サイクルベースあさひ
そこで今回はブレーキ、ホイール周りを中心に清掃していきます。
ブレーキ清掃に油分は注意!!
今回はスポーツバイクを主にお話をしますが、シティーサイクルも参考になる部分があると思います。
まず、ブレーキの掃除は車輪を外して行った方が細かいところまで掃除できる為、効果的です。 シティーサイクルの場合は素人が車輪を外すのは困難なので、一気にやるなら消耗品の交換も兼ねて自転車ショップにてオーバーホール依頼をお勧めします。
ブレーキ掃除の注意点は、油分を含んだ洗剤は絶対に使わない事です。
リムブレーキはブレーキシューとリム間の摩擦によって制動がかかりますので油分が付着すると滑って摩擦が起こらずにブレーキが効かなくなります。 MTBのディスクブレーキにしても原理は一緒で、特に樹脂製のパッドは油が染み込んでしまうとほぼ使い物になりません、
後、むやみやたらに洗剤、水をかけるのも好ましくありません、自転車は至る所に潤滑油(グリス)が使用されているので、あまり激しく水や洗剤がかかると流れ出てしまいます。
グリスは密閉された箇所に使用されており、簡単に指し直すことも出来ませんので、くれぐれも注意してください。
ホイールを外す
ここではスポーツ自転車主体で進めていきます。
スポーツタイプの自転車のVブレーキ周りの構造はこんな感じになります。
自宅でする場合はメンテナンススタンドか車体をひっくり返してホイールを外します。 ですが、通勤、サイクリング中のパンク、輪行など外出中でのホイール外しを想定して、車体をひっくり返して外していきます。
※ この時ハンドル回りに取り付けているパーツ類(ライト、サイコン、スマホホルダー)などハンドルよりも飛び出ているものは外しておきましょう。 外出時にも使うことがあるので携帯工具セットなど持っていますと、いざという時に役に立ちます。
後輪も外すのを想定して、ギアをインナートップにしておきましょう。 チェーンのテンションが余る為、後輪を外すのに一番外しやすいです。
フロントタイヤから外していきます。 ブレーキを固定しているフックを開放してホイールとブレーキシューの間を広げます。 (Vブレーキのメーカーにより若干、外し方が違います)
クイックリリースを緩めてホイールを外します。 フロント側は慣れるととても簡単に外せます。
参考までにVブレーキのフロントタイヤ外し方
後輪の取り外し方
Vブレーキの固定フックを開放してホイールとブレーキシューの隙間を確認、ギアのインナートップを確認してクイックリリースを緩めます。
この時点でほぼ外れていますが、ディレイラーとチェーンにスプロケットが引っかかっているのでディレイラーを後ろに引きホイールを外します。
参考までにVブレーキの後輪の外し方
ホイールを外すとブレーキ回りの汚れが掃除しやすく、状態も確認しやすいので、数か月に1度はホイールを外して掃除をしましょう。
ついでにディレイラーハンガーの状態も見ます。 転倒、立ちごけ、風のあおられ等で車体を倒した、の後にギアが入らない、ギアの入りが悪くなった、変速するとチェーンが外れるなどのトラブルはまず、ディレイラーハンガーが曲がっている可能性が大です。 知っておくと予備部品を確保する、ショップで曲がりを修正してもらうなど対策が立てられます。
ハンガーの交換もさほど難しくはありませんので、機会があれば挑戦してみましょう。
リムブレーキで掃除すべき個所は!?
ロードバイクのキャリパーブレーキ、クロスバイクのVブレーキなどがそれにあたります。
ホイールの外周でタイヤがはまる部分を(リム)といいますが、そこにゴム製の(ブレーキシュー)を左右から挟み付けるようにしてタイヤの回転を止める仕組みになります。
その為、掃除は本体は勿論ですが、むしろブレーキシューやリムを重点的に行います。 ブレーキシューは金属の台座の上にゴムがかぶせてある構造ですが、台座とゴムが一体化しているものと、ゴムだけ取り外し可能なものもあります。
いずれも六角レンチがあれば取り外せますが、一体型のものは複数のリング状パーツが付属しているので、組付ける時には間違えないようにしましょう。
※ 工業系の保全の応用で ①取り外し前、②部品1つ目 ③部品二つ目 と順番に写真を各工程ごと撮って、外した部品も、外した順番通りに並べておくと掃除、後部品を付ける順番を忘れても問題ないですね。 後、ブレーキシューを止めている台座の位置もマーキングしていると位置ズレの心配もないです。
※ ブレーキシューは掃除の前に摩耗具合を確認し、表面の溝が1mm以下になっていたら、交換も考えましょう。
ブレーキシューの掃除方法
ブレーキシューを目視確認し、表面に金属片、小石などの異物が挟まっていないかを確認します。刺さっているようなら取り除きます。
また、長期間使用していると表面が摩耗してツルツルになっていたり、長い下り坂などでブレーキをかけ続けたりした後などで熱で溶けた後、再度固まって硬くなった部分がある場合、その状態だとブレーキの効き具合が悪くなりますので、ペーパーヤスリ、ラバー砥石等で全体を軽くこすってください。
ブレーキシューの磨きには141 リム周りには142 を使用しても良いと思います。
その後、パーツクリーナー、洗剤、バイクウォッシュ、等で表面を掃除します。(洗剤は台所洗剤でも代用できます)
ブレーキシュー、ブレーキアーム部分は、溝に細かいゴムの削れカスやホコリが溜まり目詰まりしているので、使い古した歯ブラシ等を使うと綺麗に落とせます。
数か月間、掃除をさぼるとリムブレーキの内側はこんなに汚くなります、、、泥、ホコリ、シューの削りカスなどでリムの間もこんなに汚れが詰まってきます、、
自転車のリムの掃除方法
ブレーキのリム部分は地面に限りなく近い場所で仕事をしていますので、当然ながら泥汚れなどが付着しやすい場所です。 また、ブレーキシューが押し付けられるので、ゴムの削れカスが表面に付着します。
リムが汚れているとブレーキの効き具合に影響しますので掃除は欠かせません。 普通の泥汚れ程度なら中性洗剤でも構いませんが、バイクウォッシュ、パーツクリーナーが良いと思います。 軽く磨き落とすならば、家庭用でおなじみの(激落ちくん)スポンジもお勧めです。
※ ただし、こびり付いたシューのカスや頑固な汚れは激落ちくんでも難しくなってきますので、その場合はラバー砥石等でリムを研磨する必要があります。
ホイールのリム部分も水につけたラバー砥石で楽にダストが取れます。
※ その場合も、アルミ、スチールなど金属製のリムには良いですが、カーボン製のリムには絶対に研磨しないでください。
汚れをパーツクリーナー等で吹き飛ばす、ブラシ、激落ちくんで磨いた後、注油する時は周りには飛び散りや油分の飛散を防ぐ為、ウエス等で当てをして作業をしましょう。
リム周りの汚れ、ダストなどかなり綺麗になりました。 ブレーキシューも磨き溝もまだまだ大丈夫そうです。
時間があれば、ビンディングペダルなどもパーツクリーナーで洗浄しておくとクリートのはまり具合も改善します。 意外に脱着に不具合があると危険な部分でもありますので点検、掃除は大切です。
ディスクブレーキの掃除の方法
自分の自転車はリムブレーキなのですが、少しディスクブレーキの掃除方法にも触れていきます。
制動原理はリムブレーキと対して変わりません、ディスクブレーキはホイールのハブにローターといわれるディスクが取り付けられており、車輪の回転と共にローターも回転する仕組みです。
そのローターを樹脂や金属製のパッドで挟み付けて回転を止めます。 また、パッドを動かす本体はキャリパーで、これも掃除をする部分になります。
ディスクブレーキはパッドが削れて細かい粉末状になり、キャリパーやローターに付着します。 (ブレーキダスト)などと呼ばれますが、これが中々頑固なので専用のクリーナーを使用したほうが賢明です。
特にキャリパーは細かい部分に汚れが入り込みやすく、油圧式の場合はオイルに汚れが混じるとピストンが動作不良を起こす可能性がありますのでこまめな掃除が必要です。
また、ローターはとても薄いので、掃除中に曲げたりしてしまわないように注意してください。
自転車のブレーキには注油が不可欠
掃除と同様にメンテナンスとして重要なのが注油です。 動きをスムーズにしなくてはならないレバー、ワイヤー類、キャリパー、アームが稼働する部分などに注油します。
注油といえばチェーンが代表的であり、差している方も多いと思いますので、同じオイルでも構いませんが、格安でミシン油なんかを差す方もおられますし、スプレー式(潤滑油、ラスペネ)なんかを差す方もおられます。
ただし、しつこいようですが、ブレーキシュー、リム、タイヤに付着しないように、当て布なんかをして注油してください。 吹き付けるスプレータイプが苦手な方は1滴ずつ差せるタイプもお勧めです。
例えば、キャリパーはアーム可動部分に1滴たらしてから、レバーを何回か握ってアームを動かして浸透させていきます。 そこで染み出た余計な油は、たれないようにウエス等で拭き取ります。
また、ワイヤーは金属製のインナーケーブルに注油しますので、本体やレバーの接合部分のアウターを少しずらして、インナーに油を差します。
いずれにしても、ブレーキ回りの注油は少量と心掛けてください。
スポーツ自転車の初級メンテ
まとめ
ブレーキはいざという時に効きませんでしたでは済まされませんので、メンテナンスの重要性大です。
中でも掃除は特殊な工具、技術を必要としなくて、今すぐでも実践できる1番身近なメンテナンスになります。 掃除のついでに不具合箇所、消耗品の劣化具合の確認も出来ます。
日々の日常点検、掃除で制動力がよみがる可能性もあり、自転車の愛着も湧きますね。
これを機に是非実践してみてください。
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